フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)傘下のクライスラーは13日、米インディアナ州でオートマチック・トランスミッション(AT)を製造する新工場を開所した。

新工場の名称はティプトン・トランスミッション工場(TTP)で、9速ATのグローバル生産拠点と位置づけられている。現在の従業員数は204人だが、9速ATの搭載モデルの増加に合わせて増員を行い、2015年末には最大で850人に増えるとした。

同工場への投資額は1億6200万米ドルで、建屋面積は78万2000平方フィート(7万2650平方メートル)。13年2月に起工していた。

 

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■フィアットの工場にも供給

フル稼働時の生産能力は年間80万台分に達する。まずはオハイオ州トレド工場で生産されているジープ「チェロキー」やミシガン州スターリングハイツ工場で生産が始まったばかりのクライスラー「200」向けに供給する。

その後は米国内だけでなく、フィアットのイタリア・メルフィ工場やトルコのTofus工場、ブラジルのペルナンブーコ工場、中国の工場にも出荷することが決まっている。

同社は13年5月にインディアナ・第1トランスミッション工場(ITPI)で9速ATの生産を開始しており、今回の新工場の稼動が第2フェイズとなる。

FCAのマルキオンネ最高経営責任者(CEO)は開所式典で「この地域は世界最大の変速機の生産拠点となりつつある」と述べた。

■新型「200」は品質重視

競合のゼネラル・モーターズ(GM)が大規模リコール問題に揺れるなか、クライスラーは乗用車の主力モデルである「200」で品質重視路線を打ち出した。200を生産するスターリングハイツ工場内に品質保証センター(QAC)を新設し、生産ラインでは、フィアットの生産方式である「ワールドクラス・マニュファクチャリング(WCM)」を導入することで、3500件以上の品質改善措置を行ったとしている。

ダグ・ベッツ品質担当上級副社長によると、「従業員がミスすることの不可能な職場」となることを目指した。さらに品質検査の担当者数を従来の22人から50人に増やし、チェックする階層を上乗せしたとしている。

このほかにも新型200では発売までに1700万マイル(約2720万キロメートル)に上る試験走行を行い、あらゆる路面での実証を行ったとしている。


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2014/5/15

 

 

 

 

 

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