BMWは23日、外装部品やエンジンなどを生産する独バイエルン州ランツフート(Landshut)工場で、従業員によるジェスチャーで品質検査を行うシステムを開発したと発表した。カールスルーエ市のフラウンホーファー研究所と共同で開発した。現在はバンパーの生産工程で試験的に導入しており、従業員からも好評を得ていることから、ほかの工程にも展開していく方針だ。

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ジェスチャーによる品質検査は、テレビゲーム機などでコントローラーを振り回すことでゴルフやボーリングなどを楽しめることから着想したとされる。検査担当者が問題なしと判断した場合には、ワイパーのように手を振り、問題があると判断した場合には不良箇所を指で指し示す。

■目視できない部分もチェック、報告書も不要に

検査装置は2台のカメラと赤外線の放射装置、複数のセンサーで構成されており、担当者が目視できない部分のチェックも瞬時に行うことができる。

従来は不良品が見つかるたびに担当者がパソコンで報告書を作成する必要があったが、ジェスチャー検査装置は、担当者が不良箇所を指差した時点で事前に入力しておいた良品と比較し、どのような不良であるかを3次元で計測し、記録することができる。このため、担当者は報告書を作成する必要がなくなり、大幅に時間を節約することが可能になる。特に1つのバンパーで複数の不良箇所が見つかった場合に威力を発揮するとした。

また、従業員は特殊な眼鏡や手袋を装着する必要がなく、簡単なジェスチャーを覚えるだけであるため、長時間の研修も不要になるといったメリットもあるとした。

2014/6/24

 

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