米国での自動車座席の品質・満足度調査でジョンソン・コントロールズが同率首位を含めて全7部門中の3部門で首位を獲得したことが米調査会社のJDパワー・アンド・アソシエーツの調べで明らかになった。


ほかの部門でもジョンソンが出資するアバンザー・インテリア・テクノロジーズが2部門、ブリッジウォーター・インテリアズが1部門で首位を獲得するなど、ジョンソン系列への高評価が目立っている。この調査では例年、日米の自動車座席メーカーが拮抗してきたが、今回は日系企業の首位がみられなかった。

JDパワーは座席の品質や性能について100台当たりで、どれだけの問題点が指摘されたかを調査し、指数化した。今年2~5月に2014年モデルの新車を購入してから90日以内のオーナー、計8万6000人以上から回答を得ており、得点が低いほど評価が高いことを示している。

■小型SUVの3列シートに課題
業界平均は9.1点で前年より0.4ポイントの改善となった。ただ、3列目のシートを持つ小型SUV/MPV(スポーツタイプ多目的車/多目的車)への評価が特に低く13.0点となった。

3列目のある車両全体の平均は11.5点となっており、3列目のある車両でも相対的に大型な量販クラスのトラック/バン部門が8.6点と高く評価され、全体をけん引している。3列目のない車両の平均値は8.7点だった。

3列目のシートを持つ車両のオーナーのうち、月に1回以上3列目のシートを使用すると回答した割合は54%、週に1回以上と回答した割合は41%だった。月に1回以上は3列目のシートを使用する回答者は特に、座席表面の汚れやすさなどを重視しており、3列目を使用していない回答者よりも0.8ポイント多く問題点を指摘した。

3列目のシートを持つ車両の割合は増えており、量販トラック/バン部門では前年の19%から23%に、小型SUV/MPV部門では0.3%から1.7%へと変化しているという。

JDパワーでエグゼクティブ・ディレクターを務めるマイク・ヴァンニュクィック氏は「自動車メーカー各社は3列目のシートが欲しいという消費者のニーズに応えた。問題は品質や乗り心地、スペースなどと両立させることだ。大型の車両ならば両立は難しくないため、今後はより小型のSUVやMPVで問題を解決することが自動車メーカーや部品メーカーの課題になっていくだろう」と指摘している。

■手動コントロールは操作性に難あり
座面の高さや背もたれの角度といった調整については、手動の場合には操作性が悪いとの指摘が目立った。電動の場合は操作性の悪さを指摘する声は少なかったものの、レバーやスイッチの位置が分かりにくいとの指摘が多かったとしている。

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2014/8/18

 

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