ドイツの鉄鋼大手ティッセンクルップは24日、メキシコ中部プエブラ州でステアリング部品の新工場を開所したと発表した。同社は2020年までに北米の事業に8億ユーロ(約1035億円)超を投じる計画で、このうち部品事業が5億ユーロ(約647億円)超を占める見通し。


新工場の開所に伴い、同社がメキシコに保有する自動車部品工場は4カ所となり、製品ラインアップは、エンジン部品、スプリング、スタビライザーからアクスル(車軸)モジュールに加え、ステアリング部品に拡大。米国とカナダ、メキシコの北米自由貿易協定(NAFTA)加盟国の自動車部品の製造拠点は11カ所で、13/14年度の売上高は約16億ユーロ(約2070億円)に上った。

ティッセンクルップの部品技術事業のクロース最高経営責任者(CEO)は、受注が伸びていることから、メキシコと米国の生産能力を増強していると説明。この一環として、シャーシとエンジン部品工場の新設を進めていると述べた。

同社は今年2月、メキシコ・プエブラ州のアクスル組立工場を開所。同州サン・ホセ・チアパスでもアクスル組立工場を建設中で、16年からアウディ向けに供給する計画だ。さらに、バヒオ地方のエンジン部品工場でも来年、シリンダーヘッドカバーの生産ラインの建設を開始する予定という。

ティッセンクルップはメキシコでは部品技術のほか、エレベーター、産業ソリューション、マテリアルサービスの4事業を展開。従業員数は3000人以上で、13/14年度の売上高は8億ユーロ(約1035億円)超に上った。

2015/4/27

 

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