フォルクスワーゲン(VW)とスペインの自動車プレス部品メーカー、ゲスタンプは23日、米テネシー州のプロジェクトについて提携を拡大すると発表した。ゲスタンプは総額1億8000万米ドルを投じ、VWの工場がある同州チャタヌーガの既存施設を拡張して生産能力を3倍に増強するとともに、新スタンピング工場を建設し、VWが新たに生産する中型SUV(スポーツタイプ多目的車)向けに外装素材などを供給する。これにより500人以上の新規雇用が創出される見込みだ。

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VWは現在、チャタヌーガ工場で生産する中型乗用車「パサート」に使用するプレス部品を米国内の複数のプレス工場から調達している。今回のゲスタンプとの提携拡大に伴い、すべての外装用の鋼板と構造部品の大部分をチャタヌーガで調達することが可能となり、輸送コストが大幅に削減されるとみられている。

VWは昨年7月、チャタヌーガ工場に総額9億米ドルを投資し、7人乗りの中型SUVの生産準備に充てると発表。2016年後半から同SUVの生産を開始するとしていた。VWのチャタヌーガ工場の現在の従業員数は約2500人で、新型SUVの生産に伴い最大2000人を増員する予定。

ゲスタンプは自動車プレス部品メーカー世界最大手で、20カ国に95カ所の工場と12カ所の研究開発(R&D)センターを展開。従業員数は3万2000人で、14年の売上高は75億6900万米ドルに上っている。13年には同社の米州事業(米国、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン)に三井物産が30%出資している。

2015/6/24

 

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