日本通運は11日、現地法人の米国日通とメキシコ日通が6月22日から、メキシコの中央高原のサン・ルイス・ポトシ州サン・ルイス・ポトシ市向けに混載輸送サービス「クロスボーダー3300 ボーダーレス・レール(XB3300 Borderless Rail)」と「クロスボーダー3300 ボーダーレス・トラック」をそれぞれ開始したと発表した。


■国境での検査を回避

昨年11月に開設した日系物流企業唯一の保税倉庫「サンルイスポトシ・ロジスティクスセンター(SLC)」を活用し、メキシコ向け輸出で最大の懸案である国境でのプレビオ(メキシコ独特の輸入申告前貨物検査制度)を回避するサービスという。

クロスボーダー3300 ボーダーレス・レールは、自動車産業の集積地である米オハイオ州マリオンから鉄道輸送を利用して、サン・ルイス・ポトシまで輸送する、日系物流企業で初めての鉄道クロスボーダー混載サービス。

クロスボーダー3300 ボーダーレス・トラックは、全米各地からメキシコ国境に近いテキサス州ラレドに荷物を集約し、トラックでサン・ルイス・ポトシまで輸送する。

■輸送日数とコスト削減

両サービスともプレビオは国境で行わず、日通の従業員立ち会いの下、SLC内で実施。同社施設まで保税運送が可能なため、所要時間が不安定な国境での通関を回避し、遅延リスクを低減すると同時に、貨物の輸送・取り扱い状況を容易に把握することが可能という。

輸出入コンテナ専用の一時保管場であるCFS間の輸送日数は、クロスボーダー3300 ボーダーレス・レールが12~13日、クロスボーダー3300 ボーダーレス・トラックが1日。従来の同社のトラック混載サービスと比較して、運賃がそれぞれ約40%、約10%、削減される。

2015/8/12

 

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