米系市場調査会社JDパワー・アジア・パシフィックが8月31日発表した「2015年インド自動車セールス満足度(SSI)」調査は、トヨタと地場の自動車大手マヒンドラが首位となった。

46974.jpg



同調査は、新車を購入した際の販売店の対応に関する顧客満足度を総合的に分析するもので、インドで実施されるのは今年が16回目。14年9月~15年4月に新車を購入した7895人から回答を得た。調査は今年3~7月に実施。量販車75モデル以上が対象となった。

今回のSSI調査では、総合的なセールス満足度に影響を与える要素が7項目に分類され、重要なものから▽納車手続き▽納車時期▽セールス担当者▽販売の開始▽店舗施設▽書類作成▽契約手続き――となっている。満足度は1000点満点で評価される。

業界平均は1000点満点の851点で、前年を6ポイント下回った。顧客の18%が、新車購入の際の交渉や納車の約束、全体の納車過程で不満を持っていることが明らかになった。

JDパワー・アジア・パシフィックのシンガポール事務所のアロラ取締役は、市場競争が激化し、販売増のプレッシャーが高まるなか、ディーラーが顧客中心のアプローチから、販売中心のアプローチにシフトしていることが、顧客満足度の低下に表れていると指摘。自動車メーカーとディーラー網は顧客のイメージを改善し、持続するため、プレッシャーから解放された環境をディーラーに提供する必要があると述べた。

■年齢層で購入動向に違い

調査では、年齢層によって購入の理由と動向が異なることが浮き彫りになった。購入の際に車のデザインや機能を重視する割合は、30歳未満の若年層では43%に上ったのに対し、31歳以上の層では35%にとどまった。

購入のための情報を得るツールとしてインターネットを利用する割合は、若年層が32%、31歳以上の層が26%だった。

■ショールーム訪問回数の多いオーナーの満足度低く

予約してから納車までの期間は平均で11日間となり、14年の9日間と比べて2日間延びた。

新車の購入までにショールームを3回以上、訪れた割合は39%に上り、前年よりも4ポイント上昇。これらのオーナーの満足度は、ショールームを訪れた回数が2回以下のオーナーと比べて25ポイント低かった。

満足度が922点以上のオーナーの82%が、新車を購入したディーラーを家族や友人に「必ず勧める」と回答。74%が将来も同じメーカーの車を「必ず購入する」と回答した。これに対して、満足度が801点以下のオーナーでは、家族や友人に「必ず勧める」が41%、将来も同じメーカーの車を「必ず購入する」が37%にとどまった。

■ブランド別上位は日本車

ブランド別の満足度は、トヨタとマヒンドラがともに872点で1位。トヨタは特に「販売の開始」の満足度が高く、マヒンドラは「書類作成」の満足度が高かった。

ホンダと日産自動車がともに863点で3位。現代自動車が852点で5位だった。インドの自動車最大手マルチ・スズキは846点で6位となり、量販車の平均を下回った。

2015/9/1



 

2週間無料お試し購読 購読を開始する