ベルギーに本社を置く商用車部品大手のワブコ(WABCO)は2日、インド南部タミルナド州チェンナイに開設したソフトウエアエンジニアリング&ビジネス・センターを開所した。インド国内の新製品および新システムの開発を支援するとともに、新興市場の商用車向けの技術開発にも貢献するとしている。

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同社は2010年以来、インド国内のソフトウエアエンジニアの人員を250人に倍増しており、今後5年間で150人を追加する計画。新センターの面積は6万5000平方フィート(約6039平方メートル)で、ソフトウエアエンジニアのほか、ビジネスサービス部門の約110人が勤務する。

ワブコのエスキュリエ会長兼最高経営責任者(CEO)は、インドのソフトウエアエンジニアリング能力の増強が画期的な出来事の一つだと強調。同社の効率性を改善し、コスト削減につながると述べている。ワブコのソフトウエア開発の6割はインドで行われているという。

■次世代のABS製造へ

ビジネス・スタンダードによれば、ワブコは同日、インドで次世代のアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)とオートマチック・マニュアル・トランスミッション(AMT)の製造を開始すると発表した。国内外向けに供給する。インド政府は2015年4月から、商用車の新車にABSの搭載を義務付けている。

ワブコ・インディアのKaniappan副社長は、インドでは現在、商用車のABS搭載率が8%だが、近い将来に70%に上昇すると予想。同社にとって大きなビジネス機会になるとして、年間で約6億ルピー(約11億円)を新製品の開発に投じる考えを表明した。

■AMTの現調率を引き上げ

同社はまた、AMTの国内部品調達率を現在の30%から、17年までに70%に引き上げる計画という。

ワブコ・インディアは、南部タミルナド州チェンナイに2工場、東部ジャルカンド州南東部ジャムシェドプールと北部ウッタラカンド州パントナガールに各1工場を保有。昨年9月には北部ウッタルプラデシュ州ラクナウで新工場を開所した。2014/15年度(14年4月~15年3月)の売上高は136億8000万ルピー(約248億円)で、輸出額は43億ルピー(約78億円)。従業員数は3200人で、グローバル事業の約1万1000人の約3割に達している。

2015/9/3

 

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