フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は10日、世界全体で3件について計172万7681台をリコール(回収・無償修理)すると発表した。いずれもピックアップトラックの「ラム」シリーズが対象となっている。


■ワイヤーハーネスの磨耗で135万台

1件目はステアリング・ホイールのワイヤーハーネスがスプリングと接触して磨耗し、運転席のエアバッグが不意に展開する恐れがあることが分かった。これまでに2人が負傷したものの、事故にはつながっていないとしている。

2012~14年モデルのラム「1500」や「2500」、「3500」などが対象で、米国内で106万台、カナダで23万5925台、メキシコで2万6543台、北米自由貿易協定(NAFTA)域外で2万3635台がリコールされる。

ディーラーでは検査を行ったうえで、必要であればワイヤーの引き戻しと保護キャップの取り付けなどの改善措置を実施するとした。

■溶接の強度不足でステアリングの反応悪化

2件目はステアリング・コンポーネンツのブラケットの溶接が不十分で、ステアリング操作の反応が悪化することが問題となった。これまでに軽い事故1件につながったものの、負傷者は出ていないとしている。

ラム「3500」の2013年モデルや「3500」のシャーシキャブの14年モデルなどが対象で、米国内で15万6498台、カナダで2万603台、メキシコで1万3236台、NAFTA域外で3241台がリコールされる。

ディーラーでは検査したうえで、必要に応じてブラケットの補強などを行う。

■カーテンエアバッグが基準未達

3件目は後部座席のサイド・カーテン・エアバッグが米連邦政府の基準を満たしていなかったことが問題となった。事故や負傷者の連絡は受けていないとしている。

ラム「1500」のクワッドキャブの14~15年モデルが対象で、米国内で18万8000台がリコールされる。ディーラーでの措置については言及していないが、FCA車にはすべて横滑り防止装置(ESC)が搭載されており、シートベルトを装着していれば、当面の安全性は確保できるとの立場を示している。

2015/9/11

 

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