ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは25日、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコと合成ゴムの合弁会社を設立することで合意したと発表した。関係各国の独占禁止法規制当局の承認を得た後、2016年度上半期には手続きが完了する見通しだ。


合弁会社の社名はアラムコ・オーバーシーズ・カンパニーで、両社が折半出資。債務などの財務上の負債を控除の後、サウジアラムコが持ち分の50%となる約12億ユーロ(約1617億円)を出資する。これにより、合弁会社の時価総額は27億5000万ユーロ(約3707億円)となる。

ランクセスは、新設する合弁会社に合成ゴム事業を移管。この移管には、9カ国20カ所の製造施設と約3700人の従業員を擁するタイヤ&スペシャリティーラバーズ(TSR)とハイパフォーマンスエラストマーズ(HPE)の両ビジネスユニット、これらを支える管理部門が含まれる。

ランクセスが製造する高性能ゴムは、主にタイヤやホース、ベルト、シール材などの工業用品に使用され、自動車、タイヤ製造をはじめとする各種産業に供給。サウジアラムコは合弁会社に対し、戦略的に重要な原料を優位性のある価格で安定的に提供する。

2015/9/28

 

2週間無料お試し購読 購読を開始する