IHIは13日、熱処理受託加工の独VTNの全株式を取得すると発表した。競争法当局の承認を経て、買収が成立する見通し。

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VTNは1950年の創業で、独西部ヴィッテン市に本社を置き、真空熱処理、雰囲気熱処理、高周波熱処理など幅広い熱処理受託サービスを提供。ドイツ国内に5拠点を持ち、売上高は約3000万ユーロ(約39億4000万円)に上る。

熱処理は、金属・非金属部品などに熱を加えた後に冷やすことによって金属の組織を変え、製品の強度などを高める技術。金属や非金属などの材料に求められる機能の多様化・高度化に伴い,自動車や産業機械、航空分野などの部品を中心に熱処理技術の利用が今後も拡大することが見込まれるという。

IHIグループでは,100%子会社のIHI機械システム(IMS)で真空炉、真空浸炭炉といった真空熱処理装置を製造、販売し、世界各地の顧客に装置やサービスの提案を行っている。また、2008年には表面処理装置の製造・販売を行うハウザー、12年にはスイスを本拠に世界的に表面処理受託サービスを行っているイオンボンドを買収している。

同社は今回の買収を通じ、欧州での熱処理分野の受託サービス事業に本格参入することで,VTNのプロセスエンジニアリングとサービスネットワークと、IMSの装置デザインエンジニアリングが一体となり,顧客にさらに魅力ある装置と熱処理プロセスの提案を行っていくとしている。

 

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