米系調査会社のJDパワー・アジア・パシフィックが11月30日発表したインドの自動車初期品質調査(IQS)は、主要8部門中の4部門で日系メーカーが首位を占めた。昨年も8部門中の4部門だったが、今年度はメーカー別で現代自動車が3部門で最多となった。日系ではトヨタとホンダが2部門ずつ首位となっている。残り1部門はフォードが獲得した。


インドの地元メーカーは首位を獲得できなかったものの、売れ筋のエントリーコンパクト部門でタタ「ナノ」が2位に入ったほか、スポーツタイプ多目的車(SUV)でもマヒンドラ&マヒンドラ(M&M)の「XUV500」が3位に入っている。

同調査は新車購入から2~6カ月を経過したオーナーから得た不具合や問題点の指摘件数を100台当たりで指数化したもので、数字が少ないほど初期品質が優れていることを示す。対象となったのは17社の69モデルで、JDパワーは昨年11月から今年7月までに新車を購入した8438人から回答を得た。

■5年前より「欠陥」が減少、設計上の問題点は微減
業界平均は前年度から4ポイント改善し96点となった。5年前の2011年度との比較では22ポイント改善している。特に「欠陥」の指摘件数は100台当たり52件となっており、11年度から26ポイント改善した。一方、設計上の問題点と燃費性能への不満は同36件となり、11年度の38件から2ポイントの改善にとどまった。インドの自動車メーカー各社の生産品質が5年間の間に着実に向上したことが明確になったとしている。

同調査ではエンジンやトランスミッション、外観、操作性、空調、内装など8分野に分けて不具合の有無を聞いているが、11年度との比較では空調分野を除く全分野で改善した。

14年度との比較では、現代の「イオン」が41ポイント、「グランドi10」が34ポイントと大幅に改善したほか、今年度から調査対象となった「エリートi10」も61点を記録するなど高い評価を得ている。

部門別では、多目的車(MUV・MPV)部門が前年度比で30ポイント、アッパー・コンパクト車部門が22ポイントと大きく改善した。

■説明の有無が指摘件数に影響
今回の調査でも、購入時に各種機能の操作方法などについて丁寧に説明を受けたかどうかで指摘件数も大きく影響を受けることが確認された。説明を受けた回答者の100台当たり指摘件数が93点だったのに対し、説明を受けなかった回答者は同160点と大幅な格差が広がっている。ただし、昨年度の89ポイント差よりは縮小した格好だ。

JDパワーによると、不具合や問題点が予想以上に少なかった回答者の71%は購入したモデルを家族や知人に推奨するとしたのに対し、予想以上に多かった場合は同数値が34%まで低下したとしている。

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