新日鉄住金は11日、中国・江蘇省蘇州市に設立した新会社、日鉄住金冷圧鋼線(蘇州)有限公司(NSCh)の操業を開始したと発表した。自動車用ボルトや軸受などの重要保安部品に使用される冷間圧造用鋼線を製造する。


同社は2006年に日鉄特殊鋼棒線製品(蘇州)有限公司を設立し、07年に操業を開始。中国の自動車生産の伸びに支えられ、安定的に月間生産1000トンを超えるフル稼働となっている。

NSChは日鉄特殊鋼棒線製品(蘇州)の能力増強と加工体制の拡充を目的に設立。14年7月から新工場の建設に着手してきた。今後はさらなる伸びが期待される中国の冷間圧造用鋼線需要に的確に対応するとともに、品質・コスト・デリバリー面での競争力を高めることを狙いとして、酸洗・伸線・熱処理を備えた一貫工場を建設し、生産能力を年間4万2000トンまで増強する。さらに、中国での太径鋼線の現地調達ニーズの増大に応えるため、16年半ばには製品直径40mmまで製造可能な伸線機を導入する。

新日鉄住金は、事業ブランド「SteeLinC(スティーリンク)」の下で高機能商品群「XSTEELIA(エクスティーリア)」の開発を強化しており、自動車分野でも多くの独自商品メニューを保有。今後もこれらの商品群とグローバルに展開する二次加工体制との組み合わせにより、高強度化による部品軽量化、顧客の工程省略、新規投資抑制などさまざまなニーズに対応する考え。

 

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