ドイツの鉄鋼大手ティッセンクルップは12日、メキシコ中部プエブラ州プエブラ市で電動パワーステアリング(EPS)システムの新工場を建設する計画を明らかにした。近く着工し、2017年前半に完工する予定。18年からドイツ系と米系の自動車メーカーに供給する。


投資額は約7000万ユーロ(約89億6000万円)で、新工場の面積は13万5000平方メートル。完成後は、EPSを年間で約140万台分生産する。約400人の新規雇用が創出される見通し。

ティッセンクルップは昨年4月、プエブラ州に建設したステアリング部品の新工場を開所。これにより同社がメキシコに保有する自動車部品工場は4カ所となり、製品ラインアップはエンジン部品、スプリング、スタビライザーからアクスル(車軸)モジュールに加え、ステアリング部品に拡大した。

さらにプエブラ州サン・ホセ・チアパスでもアクスル組立工場を建設中で、年内に生産を開始する見込み。中央高地グアナファト州サン・ミゲル・デ・アジェンデでは今年前半にエンジン部品工場の建設が始まる見通しだ。

同社は昨年だけで、EPSシステムを総額60億ユーロ(約7680億円)以上、受注。このうちの大部分が北米市場向けとなっている。

ティッセンクルップの自動車部品事業が2020年に計画する売上高の60%は、これまでの受注分で確保される見通しという。同社は20年までに北米の部品事業に約5億ユーロ(約640億円)を投じる計画だ。

2016/1/14

 

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