市場調査会社のフロスト&サリバン(F&S)は20日、2016年のタイ国内の新車販売台数が前年比で1.3%減の78万台になると予測した。同社によれば、15年の新車販売は20%減の約79万台。タイの新車市場は3年連続で前年実績を割り込んでいる。


F&Sのアジア太平洋地区の副社長であるビベク・バイドヤ氏は、同社の予測がグローバル経済の不安定さやタイの家計債務の高さなどに基づいていると説明。民間投資と消費が低水準であることから、タイの向こう5年間の国内総生産(GDP)成長率が3.5%にとどまるとしている。

同氏はまた、タイの自動車保有台数が1000人当たり175台に近づいており、市場が飽和点に迫っていると指摘。都市人口が年間2.3%増の割合で急速に成長するなか、インフラの整備と自動車の需要のミスマッチも影響していると述べた。

一方で同氏は、自動車各社が新型車の投入に合わせて販売プロモーションを展開する見込みで、小型SUV(スポーツタイプ多目的車)やクロスオーバー車の人気も高まっていると指摘。政府の15~22年のインフラ開発計画が短中期的に新車需要を引き上げる見込みとしている。

2016/1/21

 

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