ホンダは21日、完成車組立のメーンラインに流動型のセル生産方式を組み込んだ「ARC(アーク)ライン」を開発したと発表した。四輪完成車の量産では世界初となる。同ラインはタイの四輪車生産販売現地法人であるホンダオートモービル(タイランド)カンパニー(HATC)のプラチンブリ工場に導入された。同工場は今年3月に稼動を開始している。

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ARCラインは、これまで四輪車の生産現場で広く採用されてきたコンベア上を流動する車体に組立作業者が単一工程で部品を組み付けていく「ライン生産方式」ではなく、作業者が広い範囲の工程を受け持ち、複数部品の組み付けを行う「セル生産方式」の生産ユニットをメーンラインに組み込んで流動させた、世界初となる革新的な組立ライン。

■4人が車体と一緒に移動
1台の車体と1台分の部品を積載した搬送ユニット「ARCユニット」に4人の組立作業者が乗り込み、車体と一緒に移動しながら組み付け作業を行うことで、従来の製造工程で発生していた「流れてくる車体の仕様に合わせて必要な部品を選び、歩きながら組み付ける」といった、本来の組み付け作業以外の付帯動作を低減。工程ロスの削減により、生産効率の大幅な向上を実現した。

加えて、1人の作業者が従来よりも広範囲な工程を担当することで、製造工程に関してより幅広い知識と技能を習得することが可能となり、将来的には開発現場へ生産現場の意見をフィードバックできるような「熟練作業者」を育成する効果も期待できるという。

ホンダは今後も、製造工程の効率化に取り組んでいくとしている。

2016/4/22

 

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