BMWは16日、メキシコ中部のサン・ルイス・ポトシ州サン・ルイス・ポトシ市近郊で新工場の建設を開始したと発表した。2019年中に稼働を開始する予定だ。

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投資額は10億米ドルで、生産能力は年間15万台。まずは主力セダン「3シリーズ」を生産することが決まっている。南アフリカのロスリン工場でスポーツタイプ多目的車(SUV)の「X3」の生産を開始する際に同工場での3シリーズの生産をメキシコに移管することになる見通しだ。

メキシコ工場の従業員数は1500人を予定。このうち500人については独ミュンヘン工場で研修を受けさせることで、メキシコ工場でも品質を確保するとした。

新工場はボディと塗装、最終組立ラインの3工程で構成されており、BMWグループとして最高レベルの環境効率に達する見込み。電力は100%が二酸化炭素(CO2)フリーで、大半を太陽光発電で賄うとし、1台当たりの水消費量もグループ最低水準とした。特に塗装工程では水の再利用を徹底し、水消費ゼロを実現したとしている。

■15年のメキシコ調達額は25億ドル
同社はまた、メキシコの部品メーカーからの調達額が2015年には前年比18%増の35億米ドルに達したと明らかにした。同社は08年にメキシコで調達拠点を開設しており、新工場の稼働後は調達業務も同工場が所管することになる。

一方、メキシコ国内の15年の販売台数は1万7475台にとどまっている。ブランド別ではBMWが1万2170台、ミニが5305台だった。

BMWは米州事業の強化を進めており、米サウスカロライナ州のスパータンバーグ工場にも10億米ドルを投じ、16年末までに生産能力を年間45万台まで引き上げることになっている。米スパータンバーグ工場はSUVのXシリーズの生産拠点と位置付けられており、将来的には大型モデルの「X7」の生産も予定している。

2016/6/17

 

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