米運輸省の高速道路交通安全局(NHTSA)が現地時間の1日発表した2015年の道路上の交通事故死亡者数の速報値は前年比7.7%増の3万5200人だった。3万7423人を記録した2008年以来の高水準となったことから、地元メディアでも大きく扱われている。確定値は夏以降に発表される予定だ。

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米国の交通事故死亡者数は12年を除き、14年までほぼ一貫して減少し続けてきたが、15年には大幅に伸びる結果となった。景気の回復や低水準な燃料価格などによって自動車の走行距離が伸びたことが背景にあるようだ。連邦高速道路局(FHWA)によれば、15年の走行マイル数(VMT) は前年比で3.5%増加したという。

特に15年は夏の時期を含む第3四半期(7~9月)に死亡者が増えており、前年同期比11.0%増の9750人となった。

■北東部と東南部で2けた増
全米を10の区域に分けると9地域で死亡者数が増えており、特に北西部のワシントン州とオレゴン州、アイダホ州、モンタナ州、アラスカ州で構成される地域では20%増加した。東南部のフロリダ州やジョージア州、テネシー州、サウスカロライナ州、アラバマ州で構成される地域も14%増と大きく増えた。一方、南部のテキサス州とニューメキシコ州、オクラホマ州、ルイジアナ州、ミシシッピ州で構成される地域だけが1%減とわずかに減少した。

被害者のタイプ別では自転車ユーザーが13%増、歩行者が10%増加した一方、自動車のドライバーは6%増にとどまった。

フォックス運輸長官は「7月4日の独立記念日は特に死亡者の多い時期だ。いつも以上に注意して運転してほしい」と述べた。

2016/7/5

 

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