スウェーデンの自動車安全システム・電子部品大手であるオートリブは12日、電子部品(エレクトロニクス)事業をスピンオフ(分離・独立)することを決定したと発表した。電子部品事業を別会社に独立させたうえで、スウェーデンと米国で上場させる方針。2018年の第3四半期(7~9月)中に実現させる予定だ。


同社は今年9月に電子部品部門とパッシブセーフティー部門に会社分割することを検討すると表明。約3カ月にわたって検討したうえで、取締役会で電子部品部門のスピンオフを推進することを決定した。

■社名はパッシブセーフティー部門で存続
エアバッグやシートベルトなどを主力製品とするパッシブセーフティー部門がオートリブの社名を引き継ぎ、電子部品部門は新社名で営業を開始する予定。両社ともスウェーデンのストックホルムに本社を置くとしている。スピンオフを実行する際には現オートリブが電子部品部門に資本注入し、分離後の資金に充当させる。

■成長ペースと株主の相違に対応
同社はスピンオフを決めた理由について(1)技術革新のペースに差があること、(2)異なったスキルを持つ従業員が必要なこと、(3)中長期的に売上高の成長ペースが異なり、シナジー効果が制約されること、(4)それぞれの市場が求める投資内容が異なること、(5)株式の保有によって得られるリターンが異なり、株主のプロフィールも異なること――を挙げた。

パッシブセーフティー部門の2016年の売上高は79億米ドルで、20年には100億米ドルへの到達を目指している。16年の世界市場における売上高のシェアは39%だったが、タカタ製エアバッグの欠陥問題の影響で直近2年半に獲得した新規受注のシェアは50%超に達した。

ただ、パッシブセーフティー市場全体の規模は17年の200億米ドルから25年には250億米ドルとなり、成長率は年率2%程度にとどまるとみている。

■電子部品の売上目標は20年に30億ドル
一方、安全システム関連のエレクトロニクス市場は17年の200億米ドルから25年には400億米ドルへと急成長を遂げると予測。同社の電子部品部門の16年の売上高は22億1600万米ドルで、20年には30億米ドルの達成を目指している。特にカメラやレーダー、ナイトビジョンなどの先進運転支援システム(ADAS)や自動運転(自動走行)システム関連部品が主力製品となる見込み。

 

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