スペインに本社を置くプレス部品メーカー大手のゲスタンプ(Gestamp)は13日、ブラジルの同業であるScorpios Industria Metalurgicaから工場を買収することで合意したと発表した。日本車メーカー向け事業を拡大する狙いがある。買収価額については公表していない。


買収対象の工場はサンパウロ州ソロカーバ(Sorocaba)市に所在し、ボディ・イン・ホワイト(BIW、車体骨格構造またはホワイトボディ)用の部品を製造している。従業員数は418人で、昨年の売上高は1億500万レアル(約34億円)だった。主な供給先はトヨタ自動車となっている。

今回の工場買収により、ゲスタンプはブラジル国内で8カ目の生産拠点を保有することになる。ブラジル国内での2016年の売上高は2億4600万ユーロ(約327億円)で、従業員数は約3500人だった。

■ブラジル市場の成長持続を予想
ブラジルの自動車生産台数は13年から16年までの間に約40%も落ち込んだが、現在は回復基調にある。17年通年の生産台数は前年比25.2%増の269万9672台となり、4年ぶりに前年実績を上回った。同社は今後もブラジル市場の成長が続くと判断し、今回の買収を決めたとしている。

同社は日本車メーカー向けの事業拡大に注力しており、昨年6月には東京・八重洲に同社として日本初の研究開発(R&D)センターを開設。その際には三重県松阪市で新工場のゲスタンプ・ホットスタンピング・ジャパンを建設中で、2018年上半期の操業開始を予定するとしていた。16年9月には三井物産から約12.5%の出資を受けている。

2018/02/14

 

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