フォルクスワーゲン(VW)は21日、国内最大の労働組合である金属産業労組IGメタルとの間でドイツ西部の6工場および金融サービス部門の約12万人の従業員について、2020年4月末までの間に4.3%の賃上げを実施することで合意したと発表した。


賃上げは今年5月から実施される。このため2~4月分の賃上げ相当分として100ユーロ(約1万3300円)の一時金が支給されることとなった。

■月給の27.5%の一時金も
さらに2019年8月からは毎年1回、月給の27.5%に相当する一時金が支払われる。育児や介護の必要がある労働者については、この一時金を受け取らずに6日間の休暇を選択することもできる。

年金基金については、VWによる払い込み額が従来の1人当たり月額27ユーロ(約3600円)から19年7月には一挙に90ユーロ(約1万1900円)へと引き上げられた。20年1月からは98ユーロ(約1万3000円)へとさらに引き上げられる。

■一部従業員は週40時間労働が可能に
その一方、VW側にとっては従業員の5%を上限とし、特定のプロジェクトに従事する従業員個人の同意が得られた場合には労働時間を週40時間まで増やすことが可能となった。一時的な措置であれば、週40時間労働の対象となる従業員の上限を10%まで拡張することもできる。

2016年5月に合意した前回の労使協約は今年1月末を期限していたため、両者は長期にわたり交渉を続けてきた。IGメタルは6%の賃上げを要求し、VWは3.5%を提示していたが、結局は今月6日にIGメタルと経営者団体のズートウエストメタルが合意した金属産業全体の合意と同じレベルの4.3%の賃上げに落ち着く格好となった。

2018/02/22

 

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