フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は5日、傘下の自動車部品大手マニエッティ・マレリを分離上場(スピンオフ)すると発表した。2018年末か19年初めまでに分離し、伊ミラノ証券取引所に上場する見込み。これによりFCAは中核事業に集中し、財務体質を強化することが可能となる。


FCAのセルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は声明のなかで、「分離によりFCAの株主に価値をもたらすとともに、マニエッティ・マレリの今後の成長戦略に必要な経営上の柔軟性が得られる」と述べている。

マニエッティ・マレリは1919年の設立で、67年にフィアットの傘下に入った。自動車用ライトやパワートレイン、電装品などを製造し、19カ国に生産拠点86カ所と研究開発(R&D)センター12カ所を展開。従業員数は約4万3000万人で、16年の売上高は79億ユーロ(約1兆450億円)に上っている。

マニエッティ・マレリを巡っては、韓国のサムスン電子が16年に買収に向けて交渉を行っていたが、情報筋によれば、サムスンはマニエッティの事業の一部を取得する方針だったことから、交渉は不調に終わったという。

■6月1日に5カ年計画を発表

FCAはマルキオンネCEOの下、これまでに産業機械部門CNHインダストリアルと高級車ブランドのフェラーリを分離上場させてきた。今回発表したマニエッティのスピンオフ計画は、FCAが6月1日に発表する予定の5カ年事業計画の一部。

現在65歳のマルキオンネ氏は19年初めにCEOを退任する予定で、現在は社内で後継探しが進められているという。

2018/4/6

 

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