PSAグループは7日、ベルギーの変速機メーカーであるパンチ・パワートレイン(Punch Powertrain)が開発した電動デュアルクラッチ・トランスミッション(e―DCT)を採用することを決定したと発表した。48Vのモーターと組み合わせ、次世代のハイブリッド車(HV)に搭載する方針だ。契約期間は2022年まで。


両社は今後も協業を深化させる方針で、現在はPSAの工場内で電動DCTを生産する方向で協議を進めている。パンチが開発した電動DCTは部品点数が少ないことで競合他社のDCTなどと比べてサイズが小さく、軽量化や燃費性能への寄与といったメリットがあるほか、コスト面での競争力でも優位にあることから、PSAは採用を決めたと説明している。

■PSAが初の欧州主要顧客に

パンチ・パワートレインはオランダの自動車メーカーであるDAFの子会社として1972年に設立されたが、2016年3月に中国・広東省広州市に本社を置く銀怡集団(Yinyi Group)の傘下に入った。パンチにとってPSAは欧州の自動車大手としては初の主要顧客となった。主力製品は無段変速機(CVT)などのトランスミッションで、これまではマレーシアのプロトンや中国の吉利汽車、長城汽車などを主要顧客としてきた。

PSAは今年3月にもアイシングループのアイシン・エィ・ダブリュ(AW)とFF6速のオートマチックトランスミッション(AT)の製造ライセンス契約を締結するなど、変速機の国内調達に注力する姿勢を示している。

2018/5/8

 

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