現代・起亜自動車グループ傘下の自動車部品大手である現代モービスは26日、自動運転車(自動走行車)に搭載することを想定したステアリングシステムの開発を進めていると発表した。同システムの頭脳として2つの回路を搭載することで、一方の回路が何らかの理由で機能不全に陥った場合に他方の回路が操舵を引き継ぐことで安定した走行の継続が可能となり、安全性に寄与するとしている。


同ステアリングシステムの名称は「デュアルモード・エレクトロニック・ステアリングシステム」で、年内に高速道路や一般道路、駐車場などでの実験を完了する予定となっている。量産は2020年中に開始したい意向だ。

同社はまず、2つの回路を搭載するために電子制御ユニット(ECU)の小型化に取り組み、従来品と同等の性能を確保しながらサイズを半分まで縮小。そのうえで2つの回路が交信を継続することで相互の状態をチェックし合う仕組みを設けた。

■冗長性でスムーズに引き継ぎ

例えば、自動運転で走行中に稼働中の回路Aで何らのトラブルが発生した場合、もう一方の回路Bが回路Aの異常を検知して、ステアリング操作を引き継ぐ。引き継ぐ際には一定の冗長性を持たせることで、スムーズに引き継げるようにした。冗長性を持たせることで、回路間の引き継ぎだけでなく、自動運転システムから人間のドライバーに操作が引き継がれる場合にも有効に機能すると想定している。

2018/7/27

 

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