フォルクスワーゲン(VW)は5日、中国のリチウム資源大手、ガンフォンリチウム(本社:江西省新余市)と10年間にわたる長期契約を締結したと発表した。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの電池需要が急増すると判断し、原料の調達先を確保した。必要量を確保するためだけではなく、ガンフォンから調達したリチウムを電池セルのメーカーなどに提供することで電池の調達価格の引き下げも図る狙いがある。


VWは今後10年間に70モデルのEVを市場投入する予定で、2025年には販売台数の4分の1がEVやHVなどの電動車になると想定している。他社も電動化を推進することで23年にはリチウム需要が現在の2倍以上に拡大するとの見通しから、今回の契約を決めた。ただし、取引量や契約金額などについては公表していない。

■固体電池の共同研究でも合意
両社はまた、電池のリサイクルや固体電池の開発についても協力することで合意した。ガンフォンは17年12月、固体電池の試験生産ラインを設置すると発表している。固体電池は既存のリチウムイオン電池の液体電解質を固体電解質にした次世代の大容量電池で、EVの航続距離を大幅に延長するほか、安全性が高いことも特長とされる。

2019/4/8

 

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