ドイツの自動車部品・産業機械メーカー大手シェフラーはこのほど、同国西部のラインラント・プファルツ州のハム(Hamm)にある工場を同工場の経営陣に売却すると発表した。同工場を運営しているシェフラー・フリクション・プロダクツ・ハムによるMBO(経営陣による買収)が7月1日付で実施されることとなった。


競争当局による承認を受ける必要がないため、今回のMBOは近く正式に成立する見込み。MBO成立後の新商号はINNOフリクションとなる。同工場に勤務する110人の従業員は全員が新会社に移籍する。

同工場は主にデュアルクラッチ向けのキャリアプレートタイプのフリクションライニングを製造。同製品は同社の売上高の約6割を占めていた時期もあったが、近年には需要が低迷。今後もシェフラー向けの納入を継続するものの、2021年までに段階的に生産を縮小していくことになっている。

デュアルクラッチ向けフリクションライニングの生産を縮小して将来的に終了する一方で、農業機械や風力発電機、エレベーターなど自動車以外の機械分野での受注拡大を目指す方針だ。

■工場の閉鎖を回避=シェフラー取締役
シェフラーのマティアス・ツィンク取締役兼自動車部門最高責任者は「新会社はこれまでによりも機敏に動くことが可能になる。当社としてもこれまで以上に電動化と自動運転に集中することが可能になった」と述べたうえで「当社としては工場の閉鎖を回避することにコミットしている。それを避けるためにはどんな手段でも模索する」と付け加えた。

2019/7/4

 

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