新興EV(電気自動車)メーカーの米インディゴ・テクノロジーズ(Indigo Technologies)は25日、台湾のEMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の鴻海(ホンハイ)精密工業を中核とする鴻海科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループ)から出資を受けたと発表した。インディゴは軽型の商用EVの開発を進めている。
■元日本電産社長の関氏が取締役に
鴻海による出資額や出資比率については公表していないが、鴻海でEV事業の最高戦略責任者(CSO)を務める関潤氏がインディゴの取締役を兼任することから一定規模の出資比率を得たとみられる。関氏は日本電産の社長や日産自動車の副最高執行責任者を務めた経歴を持つことで知られている。
■モーターやトランスミッション、路面センサーを一体化
インディゴはマサチューセッツ州ウーバン(Woburn)市に本社を置く。マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームから派生した新興企業で、モーターやトランスミッション、路面を検知するセンサーなどを一体化して車輪内に配置することで軽量化と広い車内スペースを両立させてコスト削減にも寄与する「スマートホイール」技術を強みとしている。
■25年に初のモデルを発売へ
まずは小型の配送用バンの「ダッシュ(DASH)」を2025年中に発売する予定で、次に配送用バンの「フロー・カーゴ(FLOW Cargo)」と旅客用のバン「フロー・ライド(FLOW Ride)」を2026年後半に発売することを目指している。
ダッシュの車内スペースは90立方フィート(約2549リットル)で、航続距離は140マイル(約225キロメートル)、価格は2万7000米ドル前後となる予定だ。フローシリーズの車内スペースはダッシュの倍となる180立方フィート(約5097リットル)で、航続距離は200マイル(約321キロ)、価格は3万7000米ドル前後になるとしている。
2024/3/27