韓国の現代自動車グループとシンガポールに本社を置く配車サービスのグラブ(Grab)は22日、東南アジア市場での電気自動車(EV)普及を促進するため、提携関係を強化すると発表した。EVの所有コストの低減などを含め、グラブのドライバーや配達業務のパートナーがEVを購入しやすくする。

現代自グループは2018年11月、グラブに2億5000万米ドルを出資し、東南アジアでEVプログラムのパイロット試験を行うことで合意したと発表した。シンガポールで行われた最初のパイロット試験によると、高コストと充電施設の不足、充電の待ち時間の長さが、グラブのドライバーがEVを採用することを妨げる最大の障壁であることが分かったという。

■シンガポールからパイロットプログラム開始

現代自とグラブは提携強化を通じ、EVのリースやEV購入のための資金調達など、新たなEVビジネスモデルを試験的に導入し、東南アジアでのEV採用を加速するための共同EVロードマップを作成する。パイロットプログラムは2021年にシンガポールで開始し、その後、インドネシアとベトナムに拡大する。

現代自は昨年10月、シンガポールにイノベーションセンターを設立すると発表。未来のモビリティの研究開発(R&D)施設とするほか、製造プラットフォームをテストするための小規模なEV生産施設も備える。2022年末までの完工を予定しており、シンガポールのリー・シェンロン首相は同社が2025年までに年間で最大3万台のEVを生産する可能性があると述べている。

2021/6/23

 

2週間無料お試し購読 購読を開始する