独フォルクスワーゲン(VW)傘下のアウディは15日、同社の電気自動車(EV)「eトロン(e-tron)」のテスト車両に搭載されていた電池モジュールを、使用済みリチウムイオン電池の再利用を進める非営利団体のヌナム(Nunam)がインドの電動三輪タクシー(電動リキシャ)に利用する試験プロジェクトを開始すると発表した。


ヌナムは独ベルリンとインド南部カルナタカ州ベンガルール(旧バンガロール)に拠点を置き、アウディ環境財団(Audi Environmental Foundation)から資金提供を受けている。

■来年初めからインドで試験走行

ヌナムは2023年初めからインド国内でアウディの使用済み電池を搭載した電動リキシャの試験走行を開始する予定。使用済みの電池を電力貯蔵システムとして使用する方法を開発することで、電池の寿命を延ばし、資源をより効率的に使用するのが目的という。

アウディの使用済み電池を搭載した電動リキシャの主な利用者は女性を想定しており、例えば電動リキシャを使って商品を市場まで運び、販売することなどに利用できるとしている。

ヌナムの共同創設者のチャタージー氏は、寿命を迎えた車載電池でも電池容量は多く、電動リキシャのような航続距離が短く、重量も軽いEVにとっては非常に有望だと指摘。ヌナムのセカンドライフ・プロジェクトは、EVの使用済み電池をEV駆動用に再利用し、厳しい使用条件下で電池がどれだけの電力を供給できるかを検証するものだと述べている。第3段階としては、使用済みの電池をLED照明などの定置式蓄電池として利用することも考えられるという。

■アウディの独工場で電動リキシャ開発

アウディの独ネッカーズルム工場の研修生チームは、インドの路上で使用を目的とした電動リキシャと自動車ショー用の電動リキシャの開発を進めている。

2022/6/16

 

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