米国の電気自動車(EV)向け充電サービス会社であるボルタ(Volta、本社:カリフォルニア州サンフランシスコ市)は18日、英蘭系石油大手シェルの米国法人であるシェルUSAから買収提案を受けたと発表した。ボルタの取締役会は全会一致でシェルUSAによる買収を支持するとしている。

買収額は1億6900万米ドルで、臨時株主総会や関係当局などからの承認を得たうえで今年の上半期(1~6月)中に買収手続きが完了するとみている。

■充電機で広告収入

ボルタは大画面の液晶ディスプレーを備える急速充電機をスーパーマーケットなどに設置しており、充電料金だけでなく、広告収入も獲得するビジネスモデルで事業を展開している。同社のウェブサイトによれば、米国内31州で5700基以上の急速充電機を運営しているという。

■シェルの目標は30年までに250万カ所

シェルは充電網の構築に注力しており、2025年までに全世界で50万カ所、30年までに250万カ所の充電ポイント設置を目指している。昨年5月にはスイスの重電大手ABBと協力し、ドイツで世界最速級の充電機「Terra 360」による初の全国ネットワークを立ち上げる計画を発表。Terra 360は3分以内に航続距離100キロメートル分の充電が可能とされる。最高出力は360kWで、EVを15分以内にフル充電できる。

また、2021年9月には英国内のEV充電網を拡充し、2025年までに5万カ所に路上充電ステーションを設置する計画を発表していた。

2023/1/19

 

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