ワイヤレス電力伝送技術の開発を行う米ワイトリシティ(WiTricity)は8日、中国のバスメーカー大手の宇通客車(Yutong Bus)の自動運転の電気自動車(EV)バスにワイヤレス充電を提供すると発表した。商用の自動運転EVバスにワイヤレス充電が採用される初のケースとしている。

■自動運転のEVミニバスから導入

宇通客車へのワイヤレス充電の商用展開は、中国・河南省鄭州市に導入される自動運転のEVミニバス「Xiaoyu(小宇)2.0」で開始する。Xiaoyu2.0は10人乗りで、特定の区域などの条件付きでドライバーが関与せず走行可能な「レベル4」の自動運転機能を持ち、航続距離は150キロメートル。

ワイトリシティの充電機「Halo」はプラグを差し込む必要がない。輸送用途で重くて扱いにくいコードやケーブルが必要となれば、商用ドライバーの労災補償請求の主要因であるスリップや転倒につながる恐れがある。同社は、自動運転のシャトルバスやバスの輸送用途が世界中で広がるなか、ワイヤレス充電は重要な役割を果たすとしている。

■紅旗やジェネシスのEVに導入

ワイトリシティはこれまで、中国第一汽車集団(一汽集団)の高級車ブランドである紅旗のEVや、韓国の現代自動車の高級車ブランドであるジェネシスのEV「GV60」などの乗用車にワイヤレス充電を導入。タクシー向けの試験も進行中という。

2023/2/9

 

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