丸紅は9日、北米最大の廃電池リサイクル業者であるサーバ・ソリューションズ(Cirba Solutions)の株式を第三者割当増資引受けにより5000万米ドルで取得したと発表した。戦略的パートナーとして出資し、電気自動車(EV)やスマートフォンなどに使用されるリチウムイオン電池(LiB)のリサイクル事業に参画する。


サーバは1991年の設立で、EVに使用されるLiBをはじめ、多種多様な廃電池のリサイクル事業を30年以上営んでおり、廃電池の回収から電池用の希少金属の再資源化まで、一貫した循環型サービスを提供している。

EVの急速な普及に伴い、LiBの廃電池(廃LiB)発生量の急増が見込まれていることに加え、電池用の希少金属の採掘に伴う環境負荷の問題から、廃LiBの適切なリサイクル処理と再利用が不可欠になると判断した。また、脱炭素社会の実現に向け、自動車業界などのLiB生産における再生材料のニーズは益々増加しているという。

丸紅はこれまでサーバと共同し、廃LiBからニッケルやコバルト、リチウムなどの希少金属を精製し、再生材料としてサプライチェーンに戻す循環型ビジネスを開発してきた。サーバはすでに米政府から助成金の承認を受けており、今回の増資と併せてEV電池のクローズド・ループ・リサイクリング構築に向けた設備拡張を加速する方針だ。

2023/02/10

 

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