インドの自動車部品大手サンバルダナ・マザーサン・インターナショナル(SAMIL、旧マザーサン・スミ・システムズ)は19日、同業フォルビア傘下の仏フォルシアからドイツ子会社のSASオートシステムテクニク(SAS Autosystemtechnik、以下SAS)の全株式を取得すると発表した。SASの評価額は5億4000万ユーロ(約775億円)とされる。


SAMILは完全子会社のサンバルダナ・マザーサン・オートモーティブ・システムズ・グループ(SMRPBV)を通じてSASを傘下に収める。労働組合側との協議や関係当局などからの承認などを得たうえで今年の7~9月中に買収手続きを完了させたい意向だ。

■生産拠点24カ所の5000人超がマザーサン傘下に

SASはコックピットモジュールのアセンブリーを主力事業としており、主な顧客はある「大手EVメーカー」のほかにフォルクスワーゲン(VW)やシュコダ、メルセデス・ベンツ、ポルシェなどとなっている。SASの国際会計基準(IFRS)に基づく2022年12月期通期の純収益は8億9600万ユーロ(約1286億円)で、このうちの約50%はEV関連製品からだった。同社は欧州とアジア、南北アメリカの24カ所に生産拠点を展開しており、従業員数は5000人以上となっている。

SAMILのビベク・セーガル会長は今回の買収について「当社のティア0.5としての立ち位置が強化されることになる。顧客ベースと製品はより多様になり、コックピットモジュールのアセンブラーとして世界大手になるだろう」と述べた。

2023/02/21

 

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