韓国の現代自動車グループ傘下の自動車部品メーカー大手、現代モービスはこのほど、同社が開発した頭部保護エアバッグ「ブレイン・インジャリー・プリベンション・エアバッグ(Brain Injury Prevention Airbag)」が、米運輸省の高速道路交通安全局(NHTSA)の脳損傷基準(Brain Injury Criteria=BrIC)で満点を獲得したと発表した。


量販車に搭載されている従来のエアバッグでは、衝突時の乗員の頭部の回転や負傷を完全に防ぐことはできない。現代モービスが開発した頭部保護エアバッグは、突出部(補助チェンバー)により、衝突時の乗員の頭部を両サイドから保護し、頭部外傷の可能性を大きく軽減する。同エアバッグは、NHTSAが導入を予定する「Obilque Crash」テストで高い性能を示したという。

同エアバッグはまた、韓国政府の韓国産業通商資源部から「銀塔産業勲章」を受賞している。同産業勲章は、韓国産業に対する貢献度を評価するもの。

■トータル・エアバッグ・ソリューション発表

現代モービスはこのほか、新モビリティサービス向けのパーパス・ビルト・ビークル(PBV)用に設計した「トータル・エアバッグ・ソリューション(Total Airbag Solution)」を発表した。同ソリューションの仕組みは以下の通り。

(1)車両の天井から「Face-to-face Protection Airbag」が飛び出て広がり、乗員同士の衝突を防ぐ。

(2)窓とルーフの連結部分4カ所から「Curtain Airbag」が落ちて膨らみ、車内の全方向をカバーする。

(3)シートに取り付けられた「Omnidirectional Airbag」が乗員の体を包み、保護シールドとして機能する。

2023/03/13

 

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