ニコンは26日、米カリフォルニア州でアディティブマニュファクチャリング(付加加工)事業の統括会社Nikon Advanced Manufacturingを設立したと発表した。7月の営業開始を予定している。


ニコンは2022年度からスタートした中期経営計画でデジタルマニュファクチャリング事業を戦略事業と位置付けている。なかでも急速な市場の拡大が見込まれるアディティブマニュファクチャリング事業の強化を目的として、今年4月にアドバンストマニュファクチャリング事業部を発足させた。

■海外初の「事業部本社」

今回、米国に設立した新会社はアドバンストマニュファクチャリング事業部の「事業部本社」となり、日米欧を含むアディティブマニュファクチャリング事業を統括する。ニコンが「事業部本社」を日本国外に置くのは、1917年の創業以来、初めて。

米西海岸には精密な金属加工のニーズが大きく、電気自動車(EV)シフトや自動運転技術の進展で変革が進む自動車産業や成長性が高い宇宙航空産業が集積している。新会社はきめ細やかな顧客対応と意思決定の迅速化で、米国を基盤に日米欧で事業拡大を図る。

これまでの戦略的投資で子会社化した金属3Dプリンターを手掛けるドイツのSLMソリューションズ・グループ、宇宙航空部品の受託生産に強みを持つ米Morf3Dがそれぞれの顧客基盤を生かしたビジネスを継続しつつ、ニコンを含めた技術・知見を組み合わせることで事業シナジーを追求し、ワンストップで最適なソリューションを提供するとしている。

2023/04/27

 

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