スイスの資源大手グレンコアと北米最大級のリチウムイオン電池リサイクル会社であるカナダのライ―サイクル(Li-Cycle)は9日、イタリアのサルジニア島ポルトヴェズメ(Portovesme)で電気自動車(EV)向け電池をリサイクルする合弁事業について検討を進めていると発表した。


■60日以内に実現可能性調査を開始

グレンコアがポルトヴェズメで保有し、現在は閉鎖している施設を改修し、ライ―サイクルのリサイクル技術を導入する方向で検討している。合弁会社への出資比率は折半となる見込み。今後60日以内に最終的な実現可能性調査(FS)を開始し、2024年半ばまでに同調査を終了させて結論を出す方針だ。合弁会社を設立した場合には2026年の後半か2027年の前半にリサイクル工場の稼動が始まるとみている。

■処理能力は36GWhに相当

改修後の同施設はブラックマスと呼ばれる活物質濃縮物を処理することでニッケルやコバルト、リチウムなどを電池材料にリサイクルする。処理能力は年間で5万~7万トンで、この処理能力はリチウムイオン電池にして最大36ギガワット時(GWh)に相当するという。

2023/05/11

 

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