ドイツの化学大手BASFはこのほど、中国の2つの工場の改修により、リチウムイオン電池業界向けに負極用水系バインダーの年間10万トン超の生産能力を確保すると発表した。電気自動車(EV)向けをはじめとするリチウムイオン電池市場の需要拡大に対応する。
■年央から新製品群を販売
新しいバインダーは、江蘇省と広東省にある既存のディスパージョン工場で生産する。既存の製品ポートフォリオに加え、2工場では改質スチレンブタジエンゴム(SBR)をベースとした革新的な負極用バインダー製品群「Licity(リシティ)」と「Basonal Power(バソナールパワー)」を生産する。新製品群は今年半ばからの販売を予定している。
負極用バインダーは、小さいながらも電池の性能と安定性に大きく影響する重要な部品。BASFの負極用水系バインダーは電池の容量を高め、サイクル安定性を向上させるとともに、電池の充電時間を短縮するという。
2023/05/17