独BMWは27日、米サウスカロライナ(SC)州ウッドラフ(Woodruff)で高電圧電池システムの組立工場を起工した。投資額は7億米ドル。同州スパータンバーグの工場で生産する電気自動車(EV)向けに電池システムを供給する。電池システム組立工場の稼働により300人の新規雇用が創出される見込み。

■AESCから電池セル調達

ウッドラフの組立工場は、中国の再生可能エネルギー大手、遠景科技集団(エンビジョングループ)傘下の車載電池メーカーであるAESCグループ(旧エンビジョンAESC、本社:神奈川県座間市)から電池セルを調達する。

AESCは今月7日、サウスカロライナ州フローレンス郡のテクノロジー&コマースパーク内でEV向け電池セルを製造する新工場を起工。年産能力は30ギガワット時(GWh)で、2026年中に稼働する予定となっている。

■航続距離が最大30%改善へ

AESCの新工場ではBMWの電動パワートレイン「eDrive」の第6世代向けに開発された円筒形リチウムイオン電池セルを生産。新型電池は従来比でエネルギー密度が20%以上、充電速度が最大30%、航続距離が最大30%改善するとされる。

AESCはテネシー州に工場を保有しており、ケンタッキー州でも工場を建設中。サウスカロライナ州の新工場を合わせた年産能力は将来的に70GWhに達する見通しだ。

2023/6/29

 

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