インドの乗用車2位の現代自動車インディア(HMIL)は16日、米ゼネラル・モーターズ(GM)が保有している西部マハラシュトラ州タレガオンの工場を取得するための事業譲渡契約書(APA)を締結したと発表した。現代自は同工場の土地と建物、特定資産を取得。HMILは同工場での生産を2025年に開始する予定という。同工場の売却により、GMはインドからの完全撤退が可能になる。

■インドの年産能力100万台に

HMILは現在、南部タミルナド州チェンナイ近郊オラガダムに工場を保有。今年上半期(1~6月)に同工場の年産能力を75万台から82万台に増強した。同社はGMから取得したタレガオン工場と合わせ、インドでの年産能力を100万台に引き上げる計画。タレガオン工場の現在の年産能力は13万台であるため、同工場を年産18万台に増強する必要がある。

HMILは増強した生産能力を活用し、オラガダム工場での電気自動車(EV)の生産を増強し、インド市場での電動化目標を加速する予定だ。同社は今年5月、2032年までの10年間でインド事業に総額2000億ルピー(約3280億円)を投資すると発表。生産能力の増強や電池パックの生産準備などに充てる方針としていた。

同社は昨年、インドで55万2511台を販売し、インドの乗用車市場で14.5%のシェアを確保している。

■GMは印2工場の売却を完了

GMは2017年、長年の販売不振によりインドでの自動車販売を終了し、西部グジャラート州のハロル工場を中国の国有自動車メーカー最大手の上海汽車集団(SAIC)に売却した。昨年にはマハラシュトラ州タレガオンに保有する工場について中国の民営自動車メーカー大手の長城汽車への売却を模索したが、交渉の末に断念。HMILは今年3月にタレガオン工場の取得に向けた「条件規定書」に署名したと発表していた。

2023/8/17

 

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