ベルギーの化学メーカー大手ソルベイ(Solvay)は10日、熱暴走や熱伝導に対する耐性が必要な電池用途向けのグレードとして、長繊維ガラス(LGF)を充填フィラーに使用している「Xencor」ファミリーに芳香族ポリアミド(PPA)を用いた熱暴走防止用の新規グレード「Xencor XTreme」を加えると発表した。

Xencor XTremeは、温度1000度で10分間以上の直接火炎への曝露に対して優れた耐性を発揮するように設計されており、欧州や中国、米国などで要求されている、熱暴走が発生した場合に乗員が車両から降りるのに十分な時間を提供することに貢献する。同材料は炎にさらされた後も優れたレベルの電気絶縁性を維持し、電池の熱暴走を軽減。さらに、ガラス転移温度(Tg)が高いため、電池の動作条件下でも部品の寸法安定性を維持することが可能という。

Xencor XTremeはバスバーのオーバーモールド用絶縁樹脂、モジュールのエンドプレート、電池部品向けに設計されており、エンジニアは安全性や電力密度、セキュリティー、軽量化といった最大の課題に自由に対処できるようになるとしている。

2023/10/11

 

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