中国の通信大手、中国聯通(チャイナユニコム)と通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)はこのほど、民営自動車メーカー大手の長城汽車(本社:河北省保定市)の子会社である精誠工科汽車系統(精工汽車、Exquisite Automotive Systems)のオートメーション技術部門が展開する商用5G-Advancedフレキシブル生産ラインの支援を開始すると発表した。


■ワイヤレス化で年間60時間のダウンタイム解消も

長城汽車の河北省保定市の本社工場では、カールーフの生産ラインで5G-Advanced機器が使用されている。従来は端末機器のシリアル接続と制御を実現するために有線ネットワークに依存していたが、ロボットアームやスライドユニット、旋回テーブルなどのモバイルアプリケーションでは、一定期間の稼働後にワイヤーの磨耗によって生産が中断することが多く、年間で平均約60時間のダウンタイムが発生していた。

5G-Advancedネットワークは超高信頼性と超低遅延を実現し、高い応答速度を必要とするハイエンドのコア製造プロセスに最適な選択肢で、ワイヤーの制約から完全に解放される。

精工汽車の産業インテリジェンス部門のYuan Zhanjiang副ゼネラルマネジャーは記者会見で「5G-Advancedの特徴は超高信頼性と低遅延、そして展開が容易なことだ」とし、近く商用生産に導入すると述べている。同社は親会社である長城汽車を含む自動車メーカー向けにインテリジェント機器の開発と自動化生産ラインの設計・統合を行っており、年間売上高は20億元(約415億5000万円)超。

先月開催されたグローバル・モバイル・ブロードバンド・フォーラムでは、中国聯通を含む世界の通信事業者13社が共同で5G-Advancedネットワークの第1波を開始し、5G-Advancedが技術検証から商用展開に移行したことを示している。

2023/11/10

 

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