新興EV(電気自動車)メーカーの米ルーシッド・グループは25日、サウジアラビア政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)の子会社であるAyar Third Investmentから10億米ドル相当の追加出資を受けたと発表した。EV需要の減速によって米国では多くの新興EVメーカーで資金繰りが悪化しているが、ルーシッドはPIFからの支援もあり、より安定した経営を維持できる見通しが立ったことになる。


Ayar Third Investmentは10億米ドル相当の転換優先株(CPS)を引き受ける。普通株に転換した場合には2億8000万株に相当する。ただし、今回の追加出資によって上昇するPIFのルーシッドに対する出資比率については言及しなかった。PIFは昨年9月の時点でルーシッドの株式の60%超を保有するとされていた。

■年内にSUV「グラビティ」の投入を予定

ルーシッドはすでに販売している高級セダンの「エア」に加え、年内にスポーツタイプ多目的車(SUV)の「グラビティ」を投入する予定としている。

ルーシッドは昨年9月にサウジアラビアで同国初の乗用車の生産工場を開所。当初はルーシッドの米アリゾナ工場で製造されたキットをSKD方式で生産する予定で、年産能力は5000台とされていた。サウジ政府は今後10年間で同工場製のEVを最低で5万台、最大で10万台調達することになっている。

2024/03/26

 

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