英自動車工業会(SMMT)が5日発表した2024年3月の乗用車の新規登録台数は前年同月比10.4%増の31万7786台と20カ月連続で増加し、3月としては19年以降で最高を記録した。英国では例年、ナンバープレートの表示が変更される3月と9月に新車販売が伸びる。第1四半期(1~3月)の累計は前年同期比10.4%増の54万5548台となった。

■3月はフリート向けが29.6%増

3月はフリート(事業用車両)向けの乗用車販売が29.6%増の18万1399台と急伸したが、民間向けが7.7%減の12万8472台、ビジネス向けが8%減の7915台と落ち込んだ。SMMTのホーズ最高責任者は「2年間の厳しい供給抑制を経て、フリート部門への投資に後押しされ、市場の成長が続いている」とした上で、民間向け市場の低迷と電気自動車(EV)の市場シェア縮小が今後の課題を示していると述べ、消費者に対する政府の支援が必要だとの見解を示している。

■EV販売が月間の最高を記録

3月の乗用車新規登録台数の内訳は、ディーゼルエンジン車が2.7%減の2万3312台で、ガソリンエンジン車が9.2%増の17万7019台だった。今年の統計からマイルド・ハイブリッドのディーゼル車とマイルド・ハイブリッドのガソリン車の区分がなくなり、それぞれディーゼル車、ガソリン車に含まれている。

EVは3.8%増の4万8388台と3カ月連続で増加し、月間の最高を記録したが、EVが乗用車に占める割合は15.2%となり、前年同月から1ポイント低下した。プラグイン・ハイブリッド車(PHV)は36.7%増の2万4517台となり、ディーゼル車を上回った。ハイブリッド車(HV)は19.6%増の4万4550台と前月に続いて増加した。

■日産がブランド別2位に

3月のブランド別の乗用車の新規登録台数は、首位のフォルクスワーゲン(VW)が1.8%増の2万2147台と2カ月連続で増加。日産自動車が21%増の2万559台で2位に浮上し、BMWは38.7%増の2万65台で2位から3位に後退した。

メルセデス・ベンツが20.4%増の1万9794台で4位。起亜が6.2%減の1万8478台で5位となった。アウディが3.1%減の1万8454台と2カ月ぶりに減少し、4位から6位に後退。フォード・モーターは16.6%減の1万7026台と2カ月連続で減少し、3位から7位に後退した。

トヨタ自動車が12.3%減の1万6886台で8位となった。ボクソールが28.6%増の1万5553台と増加に転じ、9位。現代自動車が0.3%増の1万3570台で10位だった。

■LCV登録台数は15カ月連続の増加

SMMTが発表した3月の小型商用車(LCV)の新規登録台数は11.1%増の5万2916台と15カ月連続で増加した。1~3月の累計は8.6%増の9万4812台となった。

内訳は、2.5トン超3.5トン以下のバンが16.1%増の3万5592台、2.0トン超2.5トン以下のバンが3.6%減の8939台、ピックアップトラックが0.1%増の1895台、4×4が29.1%増の1632台、2.0トン以下のバンが44.8%増の986台だった。

トラック(3.5トン超、6.0トン以下)の新規登録台数は46%増の946台と3カ月連続で増加した。



2024/4/8

 

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